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フェアトレードショップ「TEN THOUSAND VILLAGES」に行って蘇った苦い思い出。
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こんにちは。CanadaLifeMagazineTakuyaです。

皆さんは「フェアトレード」という単語を、今まで耳にしたことはありますか?

フェアトレードの定義は以下の通りです。(引用:FAIRTRADE JAPAN, http://www.fairtrade-jp.org/about_fairtrade/000012.html)

フェアトレードとは、開発途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することにより、立場の弱い開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指ざす「貿易のしくみ」を いいます。

最近では、そのようなフェアトレードの仕組みで輸入された製品を販売する「フェアトレードショップ」が日本でも増えてきているという話を聞いたことがあります。

そんな注目を集めるフェアトレードショップ。ここトロントでもフェアトレード製品を扱うお店がいくつかあるんです。先日、その中の1つである「TEN THOUSAND VILLAGES」に行ってきましたので、その様子をお伝えしたいと思います。

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と、その前に、もう少し詳しくフェアトレードについて説明しておきたいと思います。

 

フェアトレードって?

大航海時代から始まり、現在も盛んにおこなわれている国際貿易は、先進国に有利な状況での取引が多く、途上国の生産者に十分な利益の分配が行われないケースが多くあります。フェアトレードは、その流れを是正しようという試みです。

例えば、コーヒーを生産する途上国の小規模農家は、多くの場合マーケットへの流通手段を持たないため、先進国の資本が入った流通業者を通します。その過程で、立場の弱い小規模農家は公正な買い取り価格で製品を買ってもらえないケースがあります。

そして、十分な賃金を得られない小規模農家の子供たちは、学校に行かずに農場で働くことになり、しっかりとした教育を受けられない。しっかりとした教育を受けられなかった子供たちは、やがて大人になり、また立場の弱い小規模農家への道をたどってしまう、という悪循環です。

そうした悪い循環をあたらしい貿易の仕組みをつかって食い止めよう、というのがフェアトレードなのです。先ほどのFAIRTRADE JAPANのWEBサイトでフェアトレードの分かりやすい解説動画がありましたので紹介します。

 

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「TEN THOUSAND VILLAGES」

今日お邪魔した「TEN THOUSAND VILLAGES」の始まりはなんと1946年までさかのぼります。

創業者のEdna Ruth Byler氏は、プエルトリコを訪れた際、貧しいながらも懸命に手芸を学び、生活を維持させようとする女性たちに感銘を受けました。Edna氏はその女性達の手芸品を買い取り、近所で販売をしたところ、これが大盛況。それをきっかけにその女性たちの製品の輸入販売を始めたのがきっかけだそうです。

 

早速、中に入って商品を拝見させてもらいました。

店内には、29の国から輸入された様々な製品が陳列されており、白を基調にしたとても清潔感のある作りになっています。

実際に販売されている商品の中から、いくつかご紹介したいと思います。

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こちらはインドで作られた財布。機能性バツグンで革の手触りもとても心地が良かった。

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ネパールで作られたマグカップ。よく比べてみると1つ1つ微妙に形や模様が違うのも手作りの良さ。

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こんな素敵なアクセサリーも多く販売されています。

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このように、それぞれの製品のタグの部分には生産国が書かれているのも面白い。

工場生産の無機質な製品とは違い、1つ1つ個性を持った商品がたくさんあり、見て廻るだけでも楽しい店内でした。その商品のバラエティーもとても豊富で、マグカップから、子供用のおもちゃまで様々です。定期的に新製品も発売しているとのことですから、何度か足を運んでも楽しそうです。

また、公式ウェブサイトではオンラインで買い物ができるので、ぜひ見てみてください。

 

さて、そんな楽しい取材中、ついついある苦い経験を思い出してしまいました。

 

慈善活動が続く条件

実は私も大学時代、友人と共に貧困問題に取り組む学生団体を立ち上げ、短い間ですが活動をしていた時期があります。実際にバングラディッシュに行き、貧困の現場も見てまわりました。

 

こう言えばカッコ良く聞こえるかもしれません。でも正直なところ、この活動は失敗に終わりました。自分たちが夢見た大きなインパクトも与えることができず、ついに活動も1年で終わってしまうのです。

ただ、その失敗の中で学んだことが1つあります。

それは、あらゆる慈善活動は、純粋な「慈善」の心に頼るだけでは長続きすることができないということ。

フェアトレードもその例外ではありません。仕組み自体は優れていても、商品力が無ければいつか廃れてしまう。フェアトレード商品は、その仕組み上、単純に途上国で作られた工業製品には価格競争力では太刀打ちできないからです。それはフェアトレードがフェアトレードであるうえで避けられない宿命。

重要なのは、いつまでも「慈善の心」に頼るのではなく、消費者に選ばれる商品力をつけるということ。

つまり、「フェアトレード商品だから買う。」のではなく、「気に入った商品を買い、それがフェアトレードへの貢献につながる」という状況を作り出さなければ、あらゆる活動は衰退していきます。

それを僕は学生時代の苦い失敗と共に学びました。

 

店内にしばらくいると、店に入るや否やコーヒーを手に取り、そのままレジに向かう男性が。聞くとこの男性はこのコーヒーの大ファンで、家のストックがなくなるといつもこの店のコーヒーを買いに来るんだそう。理由は、「単純に味が好きだ。」とのこと。

そのようなコアなファンも獲得ができる商品力の強さが、TEN THOUSAND VILLAGESが70年間も愛され続けてきた理由なのかもしれません。

 

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Author Profile

木村 拓哉Twitter:@Takuya_CLM
1991年愛知県生まれ。カナダを拠点にフリーライター/翻訳家として活動。大学在学中にはUniversity of Wisconsin, Madisonにて交換留学生として経営学を学ぶ。日本で証券マンとして3年間働いたのちにライターになったという、異色の経歴の持ち主。個人ブログ「TakuyaKimura」では、働き方、スタートアップ、テクノロジー、WEBアプリの4分野について執筆。
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